副腎皮質機能低下症
副腎皮質機能低下症とは、体内で副腎皮質ホルモン(とくにコルチゾール)が不足している状態を指します。
「アジソン病」とも呼ばれるこの病気は、生命維持に関わる重要なホルモンが足りなくなることにより、全身にさまざまな不調が現れる疾患です。
発症初期には疲れやすさや食欲不振などのあいまいな症状が中心で、他の病気と区別がつきにくいため、見逃されやすい特徴があります。
しかし、適切な診断とホルモン補充療法により、症状は大きく改善します。
当院では、内分泌疾患に対する専門的な診断体制を整え、必要な検査や治療にしっかりと対応しています。
副腎皮質機能低下症の症状について
この病気は、ホルモンの不足によってさまざまな臓器に影響を及ぼします。
以下のような症状が代表的です。
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疲れやすい、だるい
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食欲不振、体重減少
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低血圧、立ちくらみ
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皮膚が黒くなる(色素沈着)
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お腹が痛い、吐き気、下痢
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精神的な不安定さ、気分の落ち込み
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低血糖(糖尿病治療中の方で低血糖が続くケースも)
急激に症状が悪化する「副腎クリーゼ(副腎不全の発作)」になると、意識障害やショック状態になることもあり、緊急治療が必要です。
副腎皮質機能低下症の原因について
副腎皮質機能低下症は、その原因により一次性(原発性)と二次性に分けられます。
1. 一次性副腎皮質機能低下症(原発性:アジソン病)
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副腎そのものに障害があるタイプ
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自己免疫性が多く、副腎が破壊されてホルモンが出せなくなる病気
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他には、結核、がんの転移なども原因に
2. 二次性副腎皮質機能低下症
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脳の下垂体や視床下部の病気が原因
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副腎を刺激するホルモン(ACTH)が出なくなり、副腎が働かなくなる
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ステロイド薬(プレドニゾロンなど)を長期間使用していた方が、急に中止すると発症することも
当院では、血液検査、ホルモン検査、画像診断(必要時)などを行い、原因に応じた診断と対応を進めます。
副腎皮質機能低下症の検査と診断について
以下のような検査を組み合わせて行います。
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血液検査(ナトリウム・カリウム・ACTH・コルチゾールなど)
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尿検査
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ホルモン負荷試験(ACTH刺激試験:副腎の反応をみる)
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頭部MRIや腹部CT(必要時:下垂体や副腎の形の異常を確認)
これらの検査結果をもとに、原因と重症度を判断し、治療方針を決定します。
副腎皮質機能低下症の治療法について
副腎から出るホルモンは命に関わる重要な物質のため、生涯にわたるホルモン補充療法が必要になります。
1. コルチゾールの補充
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ヒドロコルチゾン(コートリル)やプレドニゾロンを内服
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1日2〜3回に分けて、自然な分泌リズムに近づけるよう調整
2. 鉱質コルチコイドの補充(必要時)
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血圧維持のため、フルドロコルチゾン(フロリネフ)を補充する場合があります(特に原発性の場合)
3. 副腎クリーゼへの備え
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発熱・ストレス・外科手術などで**追加投与(ストレス時補充)**が必要
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緊急時には注射薬の携帯(自己注射)を指導することもあります
4. 日常生活での注意点
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薬の飲み忘れに注意
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ストレスがかかる状況では医師に相談を
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「ステロイドホルモン補充中」であることを常に携帯(カードやメモ)
当院では、患者さんと一緒にライフスタイルに合った治療スケジュールを調整し、安心して日常生活を送れるようサポートいたします。
副腎皮質機能低下症についてのよくある質問
Q1. この病気は治りますか?
A1. 原因によって異なりますが、原発性の場合は生涯にわたってホルモン補充が必要になることが多いです。適切な補充で、通常通りの生活は可能です。
Q2. ステロイドは副作用が心配です
A2. 体に必要な分量だけを補充する「補充療法」ですので、過剰にならないよう量を調整します。医師の指示通りであれば大きな問題はありません。
Q3. 風邪をひいた時も薬は増やす必要がありますか?
A3. はい。ストレス状態では普段以上のホルモンが必要になります。自己判断せず、早めに医師に相談してください。
Q4. 妊娠や手術の時も治療はできますか?
A4. 可能です。適切な対応をすれば安全に管理できます。当院では必要に応じて産婦人科や専門病院と連携します。
院長より
副腎皮質機能低下症は、早期に気づくことで生活の質を大きく守れる病気です。
当院「かけい内科 糖と甲状腺のクリニック」では、ホルモン異常に精通した医師が在籍しており、初期のあいまいな症状にも丁寧に対応いたします。
「何となくだるい」「体重が減った」「血圧が低い」など、原因がはっきりしない体調不良が続く場合は、一度ご相談ください。
東浦和駅から徒歩2分、専門的な内科診療を安心して受けられる環境をご用意しています。
